はたらく細胞は、からだの中の細胞を擬人化し、文字どおりそのキャラクターが働く姿を描いたアニメで今とても人気です。
実際の細胞のはたらきや病原体(ウィルスや細菌など)が医学的に忠実に描かれているため、身体の仕組みを学べるアニメとして高い評価を得ています。
健康にはとても感心があるけど難しい言葉や内容はちょっと避けてしまう方、子供に怪我や病気について教えてあげたいのだけれどどう教えて良いのかわからない方にはおすすめです。
ここでははたらく細胞を使用して身体の仕組みを子供にどう教えていいのか、また実際の身体とアニメは間違いだらけなのかについて紹介します。
はたらく細胞の身体の仕組みを子供にどう教える?
はたらく細胞は子供の教育に良いと分かっていてもいざ、子供に教えてようとすると何か教えていいのか迷いますよね。
ここでははたらく細胞の対象年齢や漫画やアニメをどのように活用したらよいのか紹介します。
はたらく細胞の対象年齢はあるの?
はたらく細胞は全年齢対象としています。
幼児であっても大人であっても身体の仕組みを学ぶことが出来るようになっています。
絵本
幼児以上の読み物としておすすめです。
『はたらく細胞 ばいきんvs。白血球たちの大血戦!』
第1話: けがをしたときって、細胞たちはどんなことをしているの?
第2話: 肺炎にかかったときって、細胞たちは、ばい菌とどうやってたたかっているの?
『はたらく細胞2超強敵! インフルエンザと食中毒』
第1話:熱が出て、体がつらいのはなぜ? 細胞たちとインフルエンザウィルスのたたかい。
第2話:悪いものを食べておなかが痛いとき、体の中ではなにがおこっているの?
低学年でもわかりやすいように基本的な医学をわかりやすく漫画で伝えています。
『はたらく細胞3初めての敵! 新型コロナウィルス』
第1話:症状が無くても他人に感染させてしまうことがあるの?(潜伏期間)
第2話:なぜ、食べ物の味やにおいがわからなくなるの?(味覚嗅覚障害)
第3話:細胞たちもうまく活躍できなくなる?(血栓症)
話題となった新型コロナウィルスになります。
こちらは原作がありませんが、大人が見てもわかりやすく楽しめ子供に教えやすいと思います。
絵本は敵(病原体)を倒すシーンも可愛らしく描かれているので安心して子供に読み聞かせ出来るようになっています。
図鑑
幼児で分かりやすいです。
『めくって学べる! はたらく細胞 からだのしくみ』
からだの中はどうなっているの?
食べたものはからだのどこを通ってうんちになるの? おしっこはどうやってできるの?
見る・かぐ・味わう・聞く・触るのしくみ など
人体のリアルイラストがありますので小さな小窓をめくると、からだのしくみがさらに楽しく学べます図鑑えほんです。
小学生以上の読み物として登場!
『はたらく細胞 人体のふしぎ図鑑』
こちらはアニメのイラストを使用しカラーなので「からだの仕組み」がとてもわかりやすいです。
第1章:みんなの体は細胞で出来ていることや細胞たちのお仕事について
第2章:からだを守っている免疫細胞たちと免疫細胞たちの敵
などについて解説されています。
『はたらく細胞 ウィルス&細菌図鑑』
第1章:感染症をもたらす侵入者たちと細菌とウイルスはなにがちがい
病原体はどこからやってくるについて
第2章:病原体から体を守るしくみと体を守るバリア!獲得免疫について
第3章:次々生まれる新型ウイルス・耐性菌と感染症を予防について
最新の新型コロナウィルスなどわかりやすく解説されてます。
親子や友達同士で体の仕組みや生理学の基礎を学べるクイズブックもあります。本編以外に1冊あるとさらにわかりやすく楽しく学べると思います。
はたらく細胞は漫画でもアニメでも勉強になるの?
はたらく細胞は医療監修されていだけさすが実際の身体の中をリアルに再現し追求して描かれていると思います。
細胞たちがとても魅力的なキャラクターになっていますので思わず何度も見入ってしまうのは事実ではないでしょうか。
白血球の仲間でも好中球、好酸球、好塩基球、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、制御細胞などみんな同じに見えるしちょっと難しそうな言葉が出来きます。細胞の働きと役割は似ていてもちょっと違いますがキャラクター化することによりイメージがわかりやすくスムーズに覚えられるのではないかと思います。
漫画でもアニメでもとても勉強になりますが、アニメ独自のキャラクターの声や動きがつくとさらにわかりやすく頭に入ってくるのでおすすめします。
しかし、漫画とアニメでは内容が少し異なる点が以下あります。
漫画は第1巻~第6巻、アニメは(シーズン1)第1話~第13話(シーズン2)第1話~第8話
漫画 | アニメ(シーズン1) | ||
第1巻 | 肺炎球菌 すり傷 インフルエンザ |
第1話 | 肺炎球菌 |
第2話 | すり傷 | ||
第3話 | インフルエンザ | ||
第2巻 | 赤芽球と骨髄球 食中毒 熱中症 がん細胞 |
第4話 | 食中毒 |
第5話 | スギ花粉アレルギー | ||
第6話 | 赤芽球と骨髄球 | ||
第7話 | がん細胞 | ||
第8話 | 血液循環 | ||
第3巻 | 胸腺細胞 血液循環 風邪症候群 獲得免疫 ニキビ |
第9話 | 胸腺細胞 |
第10話 | 黄色ブドウ球菌 | ||
第11話 | 熱中症 | ||
第12話 | 出血性ショック(前編) | ||
第13話 | 出血性ショック(後編) | ||
第4巻 | 黄色ブドウ球菌 デング熱 出血性ショック(前編) パイエル版 |
アニメ(シーズン2) | |
第1話 | たんこぶ | ||
第2話 | 獲得免疫/パイエル版 | ||
第3話 | デング熱/ニキビ | ||
第5巻 | 乳酸菌・ピロリ菌 善玉菌・悪玉菌・日和見菌 新型インフルエンザ |
第4話 | ピロリ菌/抗原変異 |
第5話 | サイトカイン | ||
第6話 | 悪玉菌 | ||
第6巻 | 新型コロナウィルス たんこぶ 左方移動 ips細胞 |
第7話 | がん細胞Ⅱ(前編) |
第8話 | がん細胞Ⅱ(後編) | ||
健康や身体ついて学びたいということでは、どちらもオススメしたいしたいです。
また、不足している箇所は漫画やアニメ、あるいは図鑑などで補うというのも良いと思います。
はたらく細胞は間違いだらけ?
身体の中の細胞を擬人化したから実際の身体と違う箇所があるのではないと思う人もいるかもしれません。
ここではSNSの口コミで多かった点についてどうなのか紹介します。
はたらく細胞は現実と違うの?
はたらく細胞の細胞たちのはたらきで、こんな声が聞かれます。
「赤血球は栄養も運ぶの?」
私も学生時代、酸素と二酸化炭素のガスの運搬と習ってきました。
確かに、
赤血球の働きで重要なことは全身に酸素を運び、二酸化炭素を回収する運送業です。
その重要な役割を担っているのが赤血球に含まれるヘモグロビン(Hb)です。
Hbは主に鉄を含む「ヘム」という色素とたんぱく質が結合(ヘムたんぱく質)してできており、これが酸素と結合して全身に運ばれていきます。
そのため体内に含まれる鉄が減少してしまうと、ヘモグロビンも減り全身に酸素が行き届きません。
これが「貧血」です。
易疲労感(疲れやすい)、頭痛、息切れなどの症状や運動機能の低下などの症状を招きます。
全身に酸素を運ぶには働き手の数(人員)とやる気(Hb)が必要となります。
赤血球は体内で合成することのできない鉄、ビタミンB12、葉酸が重要な栄養素とされています。
このやる気(Hb)を起こすためには鉄やブドウ糖などといった栄養素を取り込まなくていけません。
そのため、酸素や二酸化炭素だけではなくパンやサンドイッチをいつも運んだりしていたのですね。
ちなみ血液成分の55%が血漿であり、残りの45%が血球(赤血球や白血球・血症板など)です。
血漿の役割が、細胞へ無機質の栄養素、血漿タンパク質(浸透圧や緩衝作用調整)のほかにも、アミノ酸やホルモン・ビタミン類を運び、二酸化炭素、尿素、アンモニアなどの老廃物を肺や腎臓に運ぶ働きをしています。
はたらく細胞は各分野の専門家による医療監修がされています。
そのお1人に原田智幸先生が携わっており以下をお話しされていましたのでご紹介します。
(一部引用、全文はこちらを参考)
「作品の世界観やコンセプトを台無しにしない様に心がけています。医学的医療的な要素を強く優先すると、フィクションの部分や世界観が損なわれてしまうことがあるからです。世界観やエンタメの要素を失わず、でも医学的・医療的に大切なことを伝え、“嘘のないことのギリギリの線引き”をいつも考えています。絶妙であったり微妙であったりしますが(笑)」
漫画やアニメという独自性を残すために必要な魅力ということがなんですね。
決して嘘のないように描いているということが分かりますね。
はたらく細胞を子供にどう教育する?間違いだらけなのかのまとめ
はたらく細胞は子供向けアニメと思いがちになるかもしれません。
しかし、独創的な世界観とアニメが作り出す魅力、そしてユニークなキャラクター達が繰り広げるストーリーは大人が見ても十分楽しむことが出来ます。
机に向かって一生懸命勉強するというよりは、
大人が手に取り家族で「はたらく細胞」を手に取り身体のしくみを一緒にゲーム感覚で楽しく学んでみるのも良いと思います。
ウイルスや細菌による脅威が増えてきたこんな時代だからこそ、子供も大人も身体や病気について知っておきたいですね。
興味のある方はこちらも読んで見てください。